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まちぶせ)三木聖子・石川ひとみ・松任谷由美
 

言うまでもなく、この歌は石川ひとみのヴァージョンでヒットし、その年の暮れ、彼女は紅白歌合戦に初出場を果たした。しかしオリジナルが三木聖子ヴァージョンであると知っている人は数少ない。
 
歌の内容は、好きな男の子がいるのだけれど、自分からは言い寄ったりはせず、別の人がくれたラブレターをその男の子に見せたり、偶然をよそおって帰り道で待ったりするという、作者ユーミンの「自意識過剰的世界観」を具現化した曲である。
 
石川ひとみと三木聖子のヴァージョンを比べてみると、アレンジはほぼ同じであるが、歌唱がまるで違う。三木は音程や声量に不安があり、その点、石川は歌がうまい。しかし、そのうまさが歌の解釈を誤らせたようである。
 
問題は「サビ」の「好きだったのよあなた/胸の奥でずっと/もうすぐわたしきっと/あなたをふりむかせる」の部分である。
 
石川はここをトータルに熱く歌い上げているが、それではユーミン的ではないと思う。一方、三木は奇数フレーズを抑え気味に、偶数フレーズを強調して、内に秘めた「意思」を強調している。
 
特に、最後の「せる」の二音にこめられたせつなさは、思春期の女の子の恥じらいと計算高さを見事に表現しており、まさにユーミン的世界の正しい解釈だと言えよう。
 
蛇足になるが、作者ユーミン自らこの曲をセルフ・カヴァーしている。これがほんとの「ファイナル・アンサー」である。


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